うってぃの備忘録

税理士資格取得を目指す歯学部生の日常です!

【歯科医師勉強・生理学】内分泌2について

今回は以前学んだ内分泌1の続きをやっていきました。

まだ内分泌1の記事をご覧になっていない方はまずは以下のリンクからそちらをご覧ください。

では早速見ていきましょう!

 

 

成長ホルモンの分泌異常について

分泌亢進症により分泌が亢進すると巨人症先端肥大症が起こる。

先端肥大症では骨、舌、口唇、鼻などの軟部組織が肥大したり手足が肥大したりする。

遺伝性、出生時の損傷、頭部外傷などでの分泌不全症では小人症が起こる。

疲労性、集中力低下、性欲低下、筋肉量減少、脂質代謝異常、耐糖能異常、骨塩量減少などの症状がある。

 

副腎について

副腎皮質から分泌されるステロイド様物質の総称をコルチコイドという。

球状帯からはミネラル(電解質)コルチコイド、つまりアルドステロンを出す。

アルドステロンはNa⁺再吸収やK⁺分泌を行う。

束状帯からはグルコ(糖質)コルチコイドを出し、血糖上昇や抗体産生低下、   

肉芽形成抑制を行う。

網状帯からは性ホルモンが出る。男性・卵巣・黄体ホルモンなどがある。

 

(参考)

副腎皮質ホルモンはすべてコレステロールから合成される。コレステロールミトコンドリア内膜に運搬されてそこで酵素CYP11A1によってプレグネノロンに変換される。

 

副腎皮質ホルモンの作用について

生命維持に必須であり、副腎を摘出すると数日のうちに死亡する。

電解質コルチコイド(アルドステロン)は腎臓、唾液腺、汗腺に作用する。

体液量調節を行い、腎臓でNa⁺再吸収やK⁺排出を行う。

レニンーアンギオテンシンーアルドステロン(RAA)系により調節される。

アジソン病:副腎皮質機能低下症であり、グルココルチコイドやミネラルコルチコイドを

低下する。低血糖、低血圧、心筋委縮、低Na血症、皮膚色相沈着が生じる。

 

原発性アルドステロン症:副腎皮質の過形成、腺腫、癌によりアルドステロンの産生が                                            増加することで高Na⁺血症、細胞外液増加による高血圧や低K⁺                                            血症が起こる。アルドステロンはHポンプを活性化してH分泌                                            を促進するためアルカローシスとなる。

 

クッシング症候群:下垂体や副腎の腫瘍、異所性ACTH産生腫瘍によるグルココルチコイドの過剰産生が起こる。グルココルチコイドは弱いながらも電解質

コルチコイド作用を持ち、アルドステロンが増えたような効果が出る。

糖質コルチコイド(主なものはコルチゾール)は糖新生促進を行い、アミノ酸ブドウ糖の取り込みを阻害したり、タンパク質合成を抑制、中性脂肪の生合成の抑制を行う。

抗炎症作用や抗アレルギー作用、抗ストレス作用、抗ショック作用がある。

ビタミンDと拮抗して腸からのCa²⁺吸収を阻害、骨芽細胞の分化増殖を抑制することで

骨重量が減少する。また消化性潰瘍の原因(胃酸分泌促進、胃粘液分泌抑制)となる。

ステロイド剤を長期投与すると機能亢進症(クッシング症候群)が起こる。

機能低下症ではアジソン病や副腎クリーゼがあり、副腎クリーゼでは感染や出血により

急激に副腎皮質機能を低下した危機的状態を招く。

 

<補足>クッシング症候群

下垂体や副腎の腫瘍、異所性ACTH産生腫瘍によるコルチコイドの過剰産生により起こる。

20~40歳代の女性に多い。症状としては満月様顔貌、中心性肥満(体幹肥満)、タンパク質減少、皮膚の菲薄化高血圧高血糖骨粗鬆症精神障害がある。

またステロイド骨粗鬆症大腿骨頭壊死を起こすことがある。

 

<補足>骨粗鬆症

骨粗鬆症の治療薬であるビスホスホネート(BP)は第一選択薬として多用されている。BP製剤による副作用として顎骨壊死があり、また非定型大腿骨骨折もBP製剤との関係がある

大腿骨近位部骨折の原因としてステロイド、BP製剤、プロトンポンプ阻害薬PPI)の

関連がある。

 

3種類のグルココルチコイド(GC)について

コルチコステロGC活性の5%を担う。血中濃度は0.2~50ng/mlである。マウスや

ラットではコルチコステロンが唯一の糖質コルチコイドである。

コルチゾール(ハイドロコルチゾン)GC活性の95%を担う。血中濃度7~20μg/dlで

ある。人、イヌ、猫はコルチゾールが主である。

コルチゾン:不活性型であり、副腎では合成されない。主に腎臓でコルチゾールが作られる。

またコルチゾンは主に肝臓でコルチゾールに戻される。

 

副腎アンドロゲンについて

副腎アンドロゲンは網状帯からDHEA、アンドロステンジオンが分泌され、末梢でテストステロンやエストロゲンに変換されて性ホルモンとして作用する。

正常成熟男性では男性化、タンパク合成促進、成長促進作用の生理的意義は大きくない。思春期前に過剰分泌されると二次性徴の早熟が起こる。

女性では男性ホルモンの重要な供給源となっており、思春期に分泌が増加して腋毛、恥毛の発達が起こる。卵巣機能が低下した更年期以後の女性では副腎が主たるテストステロンの供給源となる。異常には先天性副腎過形成がある。

 

副腎髄質について

クロム塩で染色すると褐色を呈する細胞であるクロム親和性細胞がある。

クロム親和性細胞がもつ顆粒は、85%がアドレナリン(エピネフリン、15%がノルアドレナリン(ノルエピネフリン)である。アミノ酸チロシンから誘導された、カテコールと

アミンを有する化学種をカテコールアミンといい、ドーパミンノルアドレナリン、アドレナリンがある。

血中では、アドレナリンは20~50pg/ml(副腎髄質由来)、ノルアドレナリンは100~300pg/ml(大部分は交感神経由来)である。血中のカテコールアミンの50%は血漿タンパク質と結合している。副腎髄質は交感神経節で同じであると考えると分かりやすい。

血中に分泌されたカテコールアミンは主に肝臓COMTMAO代謝される。

 

膵臓について

膵臓では外分泌、内分泌がある。

ランゲルハンス島(膵島)の直径は100μmで20万~200万個あり、膵臓全体の2%を

占める。

A(α)細胞は15~20%あり、グルカゴンにより血糖上昇が起こる。

B(β)細胞は最も多く(60~75%)、血糖を低下さす唯一のホルモンであるインシュリンを分泌する。

D(δ)細胞は5%あり、ソマトスタチンを出す。ソマトスタチンはインシュリン、グルカゴン、ガストリン、セクレチンの分泌を抑制する。傍分泌作用があり、また視床下部や消化管の内分泌細胞(δ細胞)からも分泌する。

 

(補足)グルカゴン

作用は糖新生促進であり肝臓でのグリコーゲン分解促進や血糖上昇、肝臓でのタンパク質や脂肪分解促進を行う。血中アミノ酸や遊離脂肪酸の増加を行い、糖新生の材料とする。

調節は、低血糖で分泌促進、血糖上昇で抑制、交感・副交感神経興奮で分泌促進、ストレスによる分泌促進などがある。

 

(補足)ソマトスタチン

抑制性ホルモンであるので、作用はとにかく抑制である。

膵臓からのインシュリン、グルカゴンの分泌抑制や胃酸分泌抑制(壁細胞)、消化管からのガストリン、セクレチン、VIPの分泌抑制を行う。

 

(補足)インスリンと分泌機序(重要)

B細胞でのみ合成される。A鎖、B鎖、C peptide(プレプロインスリン)からなる。

血糖を下げる唯一のホルモンである。糖、タンパク、脂質を同化する。細胞増殖促進を行う。

また筋組織や脂肪組織でK⁺の取り込み促進を行う。

分泌機序では、血糖が増加するとグルコース輸送体(GLUT2)により細胞内へのグルコース流入が増加し、解糖系で分解されることで細胞内ATP濃度が増加する。これによりATP感受性K⁺チャネルを不活性化して脱分極が生じることで、電位依存性Ca²⁺チャネルが活性化してCa²⁺が細胞内に入ってくることで細胞内Ca²⁺濃度が上昇してインスリン分泌が起こる。もし副交感神経が興奮した時にはムスカリン性受容体に結合することで細胞内Ca²⁺が上昇してインスリン分泌が起こる。