うってぃの備忘録

税理士資格取得を目指す歯学部生の日常です!

【歯科医師勉強・生理学】視覚(1)について

今回は「視覚」に関することを学んでいきました。どのように視覚を感じるのかというメカニズムを学ぶことが出来、眼球に関する構造も詳しく学ぶことができました!

では早速見ていきましょう!

 

下行性疼痛変調機構について

痛覚の経路には上行路だけでなく下行路も存在し、脊髄や延髄レベルで痛みの感受性を制御する神経機構があり、これを下行性疼痛変調機構という。

侵害情報は単純に末梢から上位中枢に伝えられるだけでなく上行する過程で様々な領域に情報を送っており、特に重要なのが下行性の投射経路である。下行性経路の中継核として

中脳水道周囲灰白質延髄吻腹側核(RVM)の大縫線核という領域がある。

中脳水道周囲灰白質は大脳皮質の広い領域からも入力を受けてRVMへ出力している。

RVMからは脊髄後角や三叉神経脊髄路核へ軸索投射があり、これらの領域に分布する侵害受容ニューロン活動を調節している。RVMの出力ニューロンON型細胞OFF型細胞およびニュートラル細胞の3種類に分類されている。

 

下行性の分布するニューロンセロトニンノルアドレナリンなどを含有しており、興奮するとセロトニンノルアドレナリンカテコラミンを神経終末部から放出して神経活動が変調される。またこれらのニューロンオピオイド系やGABA系と強い関係があり、侵害受容ニューロン活動調節に強く関与している。

 

 

(補足)オピオイドによる下行性抑制系の賦活化

モルヒネはGABAニューロンのμオピオイド受容体を介して

GABAニューロンを抑制する。OFF型細胞はGABAニューロン

抑制を受けてるため、脱抑制によって活性化(下行性抑制系の賦活化)  

し、痛覚伝達が遮断される。(痛覚抑制系の脱抑制による鎮痛作用)

モルヒネはON細胞のμオピオイド受容体に作用してON細胞の興奮を

抑制し、痛覚伝達が抑制される。(痛覚伝導系の抑制による鎮痛作用)

 

痛みの加齢変化について

加齢に伴って侵害受容性疼痛閾値上昇するが、慢性炎症や神経損傷により発症する慢性疼痛強く感じられる。これは、上行路と下行路の両方が障害されて上行路と下行路の機能バランスが崩れるためとされている。

このバランスが崩れる原因の、加齢に伴う神経系の生理的変化として以下がある。

「痛点やシナプス数の減少・神経細胞の脱落・髄鞘の消失・シナプス伝達効率の低下」

 

視覚について

可視光(波長:約380~780nm)を受容することで生じる感覚を視覚という。

視覚によって物体の形状・色・位置・姿勢・運動の情報とともに、意識には上らないものの、身体や頭部の姿勢制御、生体時計の調節に必要な情報も得ている。

 

眼球について

外界からの光は角膜、眼房水、水晶体、硝子体を順に透過して、網膜上の

視細胞(光受容細胞)で受容される。眼球の再外層は前方約1/6が角膜、  

後方の残りが強膜である。

 

(1)角膜

血管を欠き、眼房水と涙液から酸素や栄養を得る長毛様体神経

(三叉神経第一枝である眼神経の枝)などが密に自由神経終末を       

作っていて、痛覚・瞬目反射・流涙反射にかかわっている。

角膜の異常は屈折異常の原因となる。

 

(2)毛様体

毛様体内側には毛様体小体があり、水晶体とつながっている。毛様体の内部には毛様体筋があり、遠近調節を担っている。毛様体動脈より生じた濾液を眼房水とよび、毛様体上皮から後眼房へと分泌される。

 

(3)虹彩

毛様体から前内方へ伸びる部分で、目の色とは虹彩の色を指す。虹彩の模様は個体ごとに 異なるため個人識別に用いられることがある。虹彩の中央には瞳孔が開いており、眼球内方へ光が入射する。瞳孔径は交感神経支配の瞳孔散大筋と副交感神経支配の瞳孔括約筋に よって調節されて目に入る光の量を変化させることができる。

瞳孔が大きくなることを散瞳、小さくなることを縮瞳という。      

眼に光を照射すると両側性に縮眼が起こる。これを対光反射という。

脳死判定基準の1つとして対光反射消失が含まれている。

 

(4)眼房、眼房水

角膜と水晶体の間を眼房といい、虹彩によって前眼房と後眼房に

分けられる。毛様体上皮から分泌された眼房水は後眼房から前眼房を

経て前房隅角にある虹彩角膜角隙(フォンタナ腔)を通じて強膜静脈洞   

へ吸収される。眼圧は眼房水によって生じる圧力であり、緑内障

網膜神経節細胞の死滅によって視野異常が生じる疾患であり、

眼房水の吸収・排出が滞ることで眼房水が溜まって眼圧が上昇する

ことが主な原因となる。

 

(5)水晶体

瞳孔の後ろに位置しており、水晶体の辺縁は毛様体小体によって毛様体内面と結ばれており、毛様体筋の作用によって前後面の彎曲を変えて遠近調節を行う。加齢に伴って弾性と透明度が低下することで、それぞれ老視白内障を生じる。白内障は胎児感染、代謝性疾患、染色体異常などによって先天性に生じうる。

水晶体には透明のタンパク質であるクリスタリンがある。

 

(6)硝子体

水晶体と網膜の間を満たす無色透明のゼラチン様物質が硝子体膜で包まれており、眼球容積の約8割を占める。眼圧を維持し、眼球の形状と網膜の位置を保っている。

眼球の形状維持を行う

 

(7)網膜

眼球の壁の最内層にあり、視神経乳頭から虹彩の瞳孔縁まで存在する。

虹彩と毛様体を覆う部分を網膜盲部、それ以外の脈絡膜を覆う部分を  

網膜視部といい区別されるが、単に網膜という場合には網膜視部を

指すことが多い光の受容を行う。

 

遠近調節について

物体を明瞭に見るためには網膜上にその像を鮮明に結ぶ必要があり、水晶体の曲率を変えて屈折力を調節して網膜上に結像させることを遠近調節という。

鮮明に結像できる最も遠い点を遠点、最も近い点を近点という。

水晶体が毛様体小体によって外側へ引っ張られて扁平になってる状態(無調節状態)で、無限遠の物体の像が網膜上に結ばれる、つまり遠点が無限遠。(無限遠は被写体の距離が非常に遠方でピント調節が不要となる距離)

近くを見るときは、毛様体筋が収縮して毛様体小体が弛緩して、水晶体の厚さが増加する。(水晶体自身の弾性によって球形に向かって膨らむため)

 

屈折異常について

近視:遠方の物体が網膜より前で結像する状態で、近くは見えるが

   遠くは見えにくい。眼球の前後径が過大のため凹レンズで矯正

 

遠視:遠方の物体が網膜より後ろで結像する状態で、遠くは見えるが

   近くは見えにくい。眼球の前後径が過少のため凸レンズで矯正    

 

老視:加齢によって水晶体の弾性が低下して水晶体の屈折力低下

   近くが見えにくい。凸レンズで矯正する。

 

光が網膜上の一点に結像しない状態で、物がぶれて見えないシャープに見えない状態を 乱視という。角膜の曲率は水平方向よりも垂直方向で若干高いが、差が大きいと網膜上に鮮明に結像できない。これを正乱視といい、矯正には円環レンズを用いる。

角膜の外傷や変性などで生じた表面の凹凸によるものを不正乱視といい、コンタクトレンズを用いる矯正が必要となる。

 

 

視野、視力について

ある一点を注視し、視軸が固定されている状態で見ることができる範囲を視野という。

単眼視野は外方に長い卵円形である。眼の空間的な分解能を視力という。

一般的にはランドルト環を用いて計測される。切れ目の方向が認識できる最小の環の切れ目に対する視覚をdとすると、視力は1/dで表される。